平田篤胤 | 会 長 菅原 三朗 |
地元医師会の主催で講演をされた、日本赤十字社医療センター名誉院長の森岡恭彦先生が、その後段で平田篤胤のお話をされました。 |
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篤胤の書いたものは100冊くらいあって、私も全部読んでいません。最初の書は若いときに書いたもので、あいつはあんなことを言ってけしからん、というようにある人を攻撃した本です。あとは日本にはどういう神様がいて、国体はどうなっているのかというものですね。これは古事記や日本書紀を基にしたもので、いずれにしても、日本というのは天照大神から始まって、万世一系の天皇の下で、そういった国体を中心に日本は発展してきた、いわば天皇崇拝思想も見られます。そもそも江戸も中期になると古いものも見直さなければいかんという考えがあって、当時は本居宣長からの、いわゆる国学者は万葉集、古今集とか昔の和歌を重要視して、もののあわれとか、そういう大和心を日本人は大事にしなきゃならないということを言ったんです。 平田篤胤は情緒的じゃなくて神代からつながっている社会体制があるんだとか論理的なんですね。篤胤はものすごい読書家で、中国のことからオランダやインドのことまで、いろんな本を読んでいるんです。外国のことを十分勉強してから日本のことを論議しなくてはいかんということで、結局は日本人という特有なバックボーンを持って西洋のいいところを日本に導入すべきという考えが見られます。当時、外国からいろんな干渉を受けて、中国なども西洋に植民地化されたわけですね。それに対して日本はどうしたらいいかっていう危機感がその基にあったんだろうと思います。 続きは次の機会に。 |