風の王国 | 会 長 菅原 三朗 |
本県では急速に進む少子高齢化、人口減少、地域コミュニティ維持の課題などを解決し、安全・安心に暮らせる豊かな社会を築くためには、課題の根源にある産業不振と雇用の受皿不足への対応が必要であり、新たなリーディング産業の創出が望まれている。 |
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何よりも東京都が北東北のグリーン電力購入を計画中であり、本格導入予定の2020年迄に400万KW規模の目標でである。「風の王国」完成時には約240万KWの規模となる。最新の風車は大型化が主流で海岸線もしくは洋上が中心となる。2,400KW級の風車は高度120mの風を捉え大潟村も有望地域である。 バードストライクなどの環境問題や、景観の問題もあるが将来の県民のために有望な産業を興し、大きな雇用を創出する大義があり理解が得られるものと思われる。 今後は東北全体が再生可能エネルギーを作りそれを都市へ送ることが急務であり、国のレベルでこの問題が検討されるはずである。スマートグリッドなどの送電網等の強化が必要であり電力会社が大規模には受け入れ不可能と言われるが、日本の電力会社の技術力で不可能なことはないはずであり東北電力・東京電力・東京都で調整可能なことと考える。 「風の王国」は全国で最も早く着手したプロジェクトだが、世界の風力発電事業の成功例を見ると、地元住民参加型の事業がベストであり県民の理解が成功の鍵となる。以上が「風の王国」プロジェクトの構想の概要である。 これとは別に大潟村ではすでに、秋田大学や県内の新エネルギー関連企業が技術と製品を持ちより、「地域直流グリッド」の実証事業も行われており、又東京都の支援による「風力発電シンポジウム」等も開催されるなど地域の理解も進みつつある。 建設産業としても国の公共事業が年々減少する中で新たな公共とも言うべき「風の王国」プロジェクトのような事業が「PFI」や「PPP」などで事業化が進む場合は是非参加をしていくべきだと思っており、今後県の「新エネルギー産業戦略」の中で行政も積極的に推進をしていくべきであると思っています。 又建設産業が実際に、供給事業建設の施工やメンテナンスに関わっていく場合でも、専門知識の習得や能力の開発が必要であり、そのための行政からの支援や関係機関からの情報提供などとともに専門家による研修会の開催など、積極的な取り組みをしていかなければならない時代であると思います。 |