さらに昭和29年(1954)、鮎川中学校がこの鮎川小学校がある土地に新校舎の竣工をみた。その後、昭和45年(1970)にここが由利町立鮎川小学校となって平成16年3月に閉校となるまで地域の学び舎となった。小学校は130年の歴史に幕を閉じたが、この間の卒業生は3155名を数えるという。
校舎は築後50年を経ているが、地元産の良質な杉材を使っているため、今も堅牢そのものである。木造平屋切妻の校舎が三棟と体育館が南北に並び、それぞれ渡り廊下で結ばれ、分舎化された校舎の切妻と瓦葺きの屋根が非常に落ち着いた雰囲気を醸し出している。学校敷地は24.504平方メートル、校舎面積は8.272平方メートルである。
校舎の内部もまた昭和の教育遺産ともいうべき立派なもので、純和風の礼法室や音楽室、木質の体育館、それに外部の日本庭園、桜並木などまわりの環境ともよく馴染んでいる。現在、文化遺産として保存と利活用が卒業生はじめ地元の有志の方々によって検討されている。 |