文化遺産
Vol.27
小安峡[おやすきょう]
湯沢市皆瀬

 私事になるが先日東京で開催されたGoogle(グーグル)のイベントに参加してきた。といえば、言わずと知れたインターネット検索エンジンの最大手であり、多くの人が日常的にお世話になっている。そして、検索エンジンのみならず、IT技術を駆使した様々なサービスをネットユーザーに提供している。自分の撮った写真をネット上で公開するときに、知らぬ間にのサービスを利用して“しまっている”こともある。
 過日、私のブログを訪れてくれた見ず知らずの方がおられて、どのような経路で私のブログを知ったのか逆に辿ってみたのだが、それはつまりこういうことだった。私が撮った小安峡の写真をPanoramioというの写真共有サービスでネット上に公開している。それが Earthというもう一つののサービスを経て、ウィキペディアというネット上の百科事典の「小安峡」の項目で挿絵として利用されていて(条件付きで利用を認めているので無断使用ではない)、それを見た方が、写真に付帯する情報を基に私のブログにたどり着いたというわけだ。
 更に調べてみると、私の小安峡の写真は、ポーランド語版のウィキペディアでも日本の国定公園を解説するページで使われていた。撮った本人も気づかぬうちに、非常に多くの人の目に触れていたようなのだ。
 こういう仕組みを逆手に取ると、多額の広告料とかパンフレットの印刷代などかけなくても、とても効率よく観光情報などの発信ができそうである。逆に、そのあたりのことを勉強しておかないと、いよいよ時代から取り残されてしまいそうだ。どんなライフスタイル、どんな業種でも、ネットの威力は軽視できない。
 さあ、いよいよ東北は紅葉シーズン。いい写真をたくさん撮って、どんどんネット上で公開していかないと。
(文・写真/加藤隆悦)