会長の言葉

ブロック会議 会 長 菅原 三朗

 恒例の平成22年度東北建設業協会ブロック会議が、10月22日山形市のホテルメトロポリタン山形で開催された。
 私は冒頭、「業界を取り巻く環境は政権交代後、国の公共事業予算はかつてない大幅な削減が断行され、一層厳しさを増し地域間格差の拡大、労務費の下落、競争の激化による利益率の低下など、かつてない厳しい危機的な経営環境に直面しており、今後工事の発注が3割以上減少すると予想され、これ迄地域の安全・安心を守ってきた会員企業の倒産の顕在化が危惧されるところである。このような厳しい環境の中でも、地域建設業は緊急時も含めて安全・安心を守る危機管理産業であり、地域経済を支え雇用の創出と納税義務を果たし、経営者は歯を食いしばり眠れない日々を送っているのが現状である。しかるに民主党政権下の国土交通大臣は、公共事業予算をばっさり切り業者数が多いから大手は海外へ地元は農業・林業へと簡単に言うが、国土交通行政は発注業務と同時に建設産業育成の両輪が責務であるはずだが、その建設産業育成という大事な責務を放棄しているのではないか。真面目に公益事業に参画し技術と経営に優れた企業が退場を余儀なくされた場合、国土の保全は誰が責任を取るのか。全産業の中で地域に根ざした建設業の位置づけを再確認し、産業の育成をしっかり国民の前に示していただきたい」と訴えた。
 議事は開催地山形県が議長となり、提案議題は(1)日本経済の発展と安全・安心な国土保全のための公共投資予算の確保(2)入札・契約制度の適正化の推進(3)建設従事者の労働賃金の確保対策 (4)総合評価方式での会員企業の適正な評価(5)災害時における建設業の災害対応施策 (6)業種転換における助成制度の確立(7)中小建設企業の資金調達の円滑化 等の7項目であり、夫々各県が分担して提案理由の説明を行った。


 私は予算関係について提案の説明を行い、社会資本の整備は国民生活、経済活動に不可欠な基盤施設であり、まさに社会保障の一つである。しかるに22年度国の公共事業費は前年度比18.3%減、東北では22.4%以上の減となっており、全く異常事態である。この急激な削減で日本は何を得たのか、雇用が生まれたのか、景気が回復したのか。そして失ったもの、いやこれから大きく失うもの、それはまさしく地域に根ざし公益事業に参画している優良企業ではないのか。何より減らすだけの政策ではなく将来を見据えた今後の、社会資本整備重点計画のグランドデザインを示していただきたい。そしてデフレ脱却のため内需拡大が必要であり、補正予算の早期成立と前倒し執行が不可欠である。食の安全やエネルギー問題で日本の国益、自立的発展や国際競争における国家戦略を考えた場合、東北の社会資本整備促進こそがキーワードである。公共投資の東北への重点配分を是非お願いしたいと説明した。
 今回は連合会がブロック会議、議題の提案内容を簡潔で実に要領よく分かりやすくまとめた「概要版」を作成配布したことにより、提案理由の理解に大いに役立った。
 夫々の提案議題については国交省本省、東北地方整備局、各県土木部等により御回答をいただき、有意義に盛会裡に終了した。