会長の言葉

障害者スポーツ振興(下) 会 長 菅原 三朗

 「スポーツ立県」を目指す本県の障害者スポーツの振興を図るため、県障害者スポーツ協会の本年度の基本方針は障害の程度、年齢、性別にかかわらず誰もが親しめる障害者スポーツの普及を図り、その裾野の拡大に向けた各種事業を推進することであります。
 そのため県障害者スポーツ振興計画の推進を図るとともに、障害者スポーツ活動を支援する指導者の育成を図ること、又スポーツを通じて障害者の心身の増進と社会参加の促進を図ることなどであります。
 重点事業としては(1)各地区障害者スポーツ教室の開催では、在宅の身体・知的・精神障害者の健康及び体力の増進と交流を目指し、毎月1回県勤労身体障害者スポーツセンターでデスクゴルフ・スポーツ吹矢等各種スポーツを実施するとともに、本年度から新たに県内7地区でも各福祉事務所、社会福祉協議会との共催でフライングディスクと卓球バレーを主体に実施する。(2)障
害者スポーツふれあい交流事業では、障害者と健常者がスポーツを通じて交流を深めることで理解の促進を図るため、次代を担う青少年の若々しい感性に期待をして中学から大学までの学生を主体に、車椅子バスケットボールは秋田大学と平鹿中学校サウンドテーブルテニスは秋田看護福祉大学と日赤秋田短大などと夫々2回ずつ実施する。(3)本年度の新規事業である「障害者スポーツを楽しむ日」の実施については、日常的にスポーツに親しむことで体力や健康の維持増進をはかるほか、仲間との交流を通じ社会参加への意欲を高めることを目的に、毎月第2第4木曜日に県総合福祉センター体育館・県勤労障害者スポーツセンター体育館の無料開放や、競技用具の無料貸し出しを行い障害者が気軽にスポーツを楽しめるようにした。又障害者スポーツ推進員・指導員及び地域のスポーツクラブ員を配置し、指導を行ったり一緒にスポーツを楽しんだりする。実施種目はフライングディスク、卓球バレー、バスケットボールなど参加者の要望と施設・用具の状況に応じて行う。
(4)更に県内の障害者スポーツ団体相互の連携を強化し、障害者スポーツに係る諸課題について協議し本県の障害者スポーツの振興を図るため、昨年度「秋田県障害者スポーツ団体連絡協議会」が設立され18団体が加盟しています。
 当連絡協議会では昨年度は手始めに、練習環境の整備要望活動として県立総合プールの車椅子利用者用更衣室・障害者用トイレ・洗面所等の改善について県教育庁に要望、又県立中央公園のアーチェリー場について、県内唯一の専用競技場ですが全く障害者仕様になっておらず、ノーマライゼーションの理念からも車椅子利用者でも使用できるよう改善案を提示して、秋田地域振興局に陳情しました。
 又指導者の派遣要望が身障者軟式野球・障害者水泳・知的障害者ソフトボールなどのクラブがある施設から、コーチ等の派遣要望を受けて、県体育協会を通じて夫々関係団体からベテラン指導員を派遣いただきました。今後とも18団体連絡協議会の情報交換と連携の強化が重要であります。
 その他9月4日には第8回秋田県障害者スポーツ大会の開催、10月23〜25日には第10回全国障害者スポーツ大会(ゆめ半島千葉大会)が開催され、6競技へ選手役員46名が派遣されます。
 障害者スポーツの本格的な普及・振興は全国的にも未だその緒についたばかりであります。障害者のより豊かな社会参加促進のためにも地域社会の理解とともに、普及啓発と振興発展が望まれるところであります。