会長の言葉

障害者スポーツ振興(上) 会 長 菅原 三朗

 これまでの障害者スポーツは、リハビリテーションや社会参加の意欲を助長するため、又障害や障害者に対する地域住民の理解を促進するためのものとして、その普及が図られ徐々に効果をあげてきたところであります。今後は生活の中で楽しむことが出来るスポーツ、更に競技としてのスポーツとしての振興を図ることが必要とされています。
 昭和40年度に国民体育大会の開催地で、全国身体障害者スポーツ大会が開催されるようになりましたが、又知的障害者の全国競技会も開催されており、従来別々に開催してきた両大会を平成13年度より統合して、全国障害者スポーツ大会として開催されることとなり、更に平成15年度からは精神障害者も参加し三障害が一本化された大
会となりました。
 本県の障害者スポーツ協会は平成13年に設立をされ、平成15年度から秋田県障害者スポーツ大会が開催されるようになった。その後平成19年度に本県において第62回秋田わか杉国体が開催されることとなり、国体終了後の10月13日から15日まで第7回全国障害者スポーツ大会「秋田わか杉大会」が開催されることとなりました。
 私は平成17年5月に県障害者スポーツ協会長に就任、第3回秋田県障害者スポーツ大会をはじめ、その後の本県障害者スポーツの振興に携わってきました。
 本県で開催された第7回全国障害者スポーツ大会は愛称を「秋田わか杉大会」スローガンを「きっと出会える!夢と感動」とし更に障害者への理解を深める大会、障害者スポーツの発展をめざす大会、秋田のまごころで交流する大会の三つを基本方針として、全国から大勢の選手役員の皆様をお迎えし盛大に開催をされました。多くの県民皆様をはじめ関係の方々のまごころのこもった、おもてなしとご努力により大成功裡に終了することが出来ました。特に開会式におけるマスゲームには全県下の各施設・作業所・養護学校などから2,800名もの皆さんが、一年も前から各地で練習を重ねた演技を披露されたことは大きな意義があり、生涯忘れられない思い出になったものと思います。

 このわか杉大会を契機に施設・設備が整備され、県民の理解も深まって障害者スポーツに親しむ環境も格段に整備が進みました。今後とも障害者スポーツの一層の普及啓発と障害者の社会参加促進に繋げていかなければならないのは当然であり、障害者スポーツ協会はその中核として活躍しなければならない存在であります。
 しかしながら平成20・21年度は県財政の厳しさ等もあり、協会の体制も縮小せざるを得ない状況になりましたが、役職員はじめ関係者一同はわか杉大会を一過性のものとしてはならないとの信念で努力を重ね事業活動に取り組んできました。特に障害者スポーツの振興に寄与出来る先駆的な事業に積極的に取り組み、県内障害者スポーツ関係団体の連携強化のため連絡協議会の設置、県内高校生・大学生と障害スポーツクラブとの交流事業の活発化、障害者スポーツ功労者の顕彰事業など活性化に向けた事業を積極的に推し進めて参りました。
 幸い県では平成21年9月2日に「スポーツ立県あきた」が宣言されました。これを具体的に推進するため「秋田県スポーツ振興基本計画」が策定され、生涯スポーツの振興の中に「障害者スポーツ振興」が盛り込まれて
おります。
 今後の協会活動と障害者スポーツの振興に、弾みをがつくものと期待をしておるところであります。