会長の言葉

「夢・国土クラブ」への協力を 会 長 菅原 三朗

 公共事業費は平成10年をピークに減少の一途をたどり、小泉内閣の聖域なき構造改革の目玉として多年に亘り削減がつづけられ、建設業界は事業量の減少・供給過剰によるダンピングの多発・収益の悪化等により、特に地方は業界のみならず地域経済ともに疲弊をし、先進地域との格差が年々拡大致しました。
 本県の公共投資をみても平成1 0年の5,377億円がピークで、平成20年には2,149億円とピーク時の40%程度まで減少しています。一方業者数(建設業許可)は平成10年の5,732社から平成20年の4,683社と20%程度より減少しておらず大巾な供給過剰構造となっています。
 しかし一方では全国的に公共調達の競争性・透明性の向上が叫ばれ、入札契約適正化法が制定されるなど仕組も変わりましたが、ダンピングの横行は防止されず不良不適格業者の参入排除など、ダンピングの防止は業界の喫緊の課題として、全建や全国建産連でも組織を挙げてこの課題解決に取り組むとともに、公共工事の品質低下も強く懸
念されていました。
 これらの課題に対応するため建設産業界の代表である、「脇 雅史」参議院議員を先頭に自民党の研究会が発足され、平成15年には「公共工事の品質確保に関する議員連盟」となりこの議連は、施工者の技術力によって公共工事の品質が左右されるにもかかわらず、価格だけの競争になっていることに問題意識をもち、平成17年3月「公共工事
の品質確保の促進に関する法律(品確法)」が議員立法により成立しました。
 これにより公共工事の調達は発注者責任の明確化、価格だけによる競争から価格と品質による「総合評価方式」が誕生しました。今年で5年目を迎えるが国・県をはじめ発注機関に着実に浸透しつつあります。しかしながら本協会が複数年に亘り実施した「秋田県建設工事コスト調査」によっても、適正な利益確保や技術と経営に優れた企業の評価など更なる制度改善も望まれるところであります。
 このような中で今回の政権交代により、「コンクリートから人へ」の理念のもとに、公共事業はかつてない大巾削減が断行されるなど先行予断を許さない厳しい状況が続くものと思われます。
 建設産業の代表としてこれまで2期1 2年間に亘り政界で大活躍をしてこられ、「品確法」生みの親でもある「脇雅史」先生が今後とも引きつづき政治活動を通じ、社会資本整備の正しいあり方や建設産業の危機を共に乗り越えることが出来るよう、業界一丸となって「夢・国土クラブ」へのご協力をお願い致したいと思います。