会長の言葉

建設工事に伴う企業責任
(誇りある建設集団を目指して)
会 長 菅原 三朗

 全建の各委員会の委員が改選されて、初めての「労働委員会」が7月25日開催されました。初めに17名の新委員が紹介され、不肖私が委員長に推挙され引きつづき労働委員長の重責を担うこととなりました。
 「労働委員会」は、全建活動の中で大きな役割を担っており、建設労働対策については、雇用対策・労働安全対策等、非常に広範囲であります。本年度もあらゆる問題に注意深く対処し、対策を適時・適切に講じてまいることが肝要と考えております。
 今回の委員会審議の中で、建設業労働安全対策の推進について、関係の専門委員会及び検討ワーキンググループで、作成を進めてこられた冊子「建設工事に伴う企業責任(誇りある建設集団を目指して)」について、全建事務局担当委員より内容の説明が行われました。
 これまで全建では、社会からの信頼に応え、社会的責任を果たすために、各都道府県協会、各会員企業が遵守すべき行動規範として「建設企業行動憲章」を明らかにし、また建設企業が守るべき法令等、特に資格を中心として、小冊子「私たち建設業に求められる体制と資格」を刊行し、法令遵守(コンプライアンス)を徹底していくことが重要であることを周知してきました。
 建設業を取り巻く法律は多岐にわたっており、どの法律をとっても、知らなかったでは済まされません。法律違反を行った企業には厳しい制裁が待っています。

  今回発刊する冊子「建設工事に伴う企業責任(誇りある建設集団を目指して)」では、第1章に「知らないでは済まされない企業の責任」、第2章「違法行為に係る責任追及」、第3章「もし…何らかの違反があったら」の3章からなっており、内容は例えば「もし…法令等の違反があったら」どのような責任が企業に発生し、その責任はどのように追及されていくのか、法令違反を発生させないためには、どうしたらよいのか等を記載しています。
 冊子の作成に当たっては、なるべく平易な表現を用い、イラストなどを配置し分かりやすい内容とすることにつとめられ、また法令違反等は 発生させないことは当然でありますが、この冊子では万が一発生した場面における責任面からアプローチし、その対処方法や予防策、防止方法についても記述されております。
 この冊子に掲載されている法律違反事例は、数ある法令違反の態様のほんの一例にすぎませんが、この冊子をうまく利用され、各企業のコンプライアンスの推進の一助となれば幸いであると思います。
 全建では、3万部作成し、各都道府県協会員に無償で配付する予定であります。建設企業にとってコンプライアンスの徹底は当然でありますが、この冊子は非常に参考になるものであると思います。
 作成に当たられた関係者に深く感謝申し上げたいと存じます。