間口4間、奥行15間というのは藩政期、商家に許された大きさで、総面積は約96坪(316.54平方m)である。
通りに面した入口から建物の中に入ると、通りに並行した小店という土間通路がある。これは冬期間、雪を避けるアーケードのようなもので、立ち並ぶ商家の軒先に連続するものであった。通り土間は4間の間口から奥まで続くもので、その横に店や中の間、おえ(居間)、台所などの各部屋が続いている。その奥、広い土間を境として土蔵がある。土蔵は主屋と鞘屋根でつながっており、壁は黒漆喰で化粧されている。土蔵の出入り口には二重の引き戸と漆喰の扉がつけられている。
また、屋根の上にある2個の天水甕は防火用のもので、昭和8年に秋田を訪れたドイツの建築家ブルーノ・タウトも興味深く観察している。
現在、隣接する秋田市民俗芸能伝承館の管理運営となって一般に公開されている。
|