池田家の庭園は秋田市の千秋公園なども設計した近代庭園づくりの先駆者長岡安平の協力も得て大正年間に完成している。
平成18年6月17、18日の両日、一般公開された日に見学する機会を得た。大仙市教育委員会のボランティアガイドの詳しい説明を受けながら約四十分、庭園内を見学した。
真昼山を正面に望む東側に薬医門の正門があり、エゴノキの花が咲きこぼれる広いアプローチを進むと左手に瀟洒な洋館、右手に米蔵や味噌蔵が立ち並んでいる。中央にある主屋は昭和27年の火災で焼失し新しい家屋となっているが、その前にかつての玄関口の礎石が残されている。
平成16年、秋田県内で初めて国の庭園名勝に指定された「池田氏庭園」。中でも最大の見所は主屋南西側にある主庭園である。日本最大級という笠の径約四メートルという巨大な雪見燈籠とその向かいに建つ鉄筋コンクリート造りの二階建て洋館が目を引く。洋館は大正11年(1922)に私設の公開図書館として建てられたもので地域の人々に開放されていたという。破損の目立つ洋館は今後、大仙市が管理主体となり池田家と協力しながら保存整備活用の方向であるという。 |